「せどり」とは?

「せどり」とは何でしょうか。あらためて調べてみました。以下、国語辞書からの引用です。

古書業界で転売を目的として同業者や愛好家から古書を買い取ること。特に掘り出し物を見つけて高く転売すること。この場合、漢字では「背どり」と書くようです。
同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること。また、それを業とする人。この場合、漢字では「競どり」と書くようです。

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もともと「せどり」という言葉が使われ始めたのは、中古本を転売してもうけを得ることを業としていた業者が、古本屋で中古本を仕入れるときに本の背中のタイトルを見て選んだことがきっかけといわれています。また、上記の後半の説明からは、中古品を取り扱う同業者間で競りを行い中古品を仕入れたというニュアンスも含まれているようです。

もともとは中古本を安く仕入れて高く売ることを「せどり」といっていたようですので、最初は中古の書籍が対象だったのかもしれませんが、今はその対象が中古のゲームソフトや中古の家電製品、中古のおもちゃにも広がっているようです。

少し前までは「せどり」という言葉はあまり耳にしなかったのですが、今は書店にいけば「副業でせどりで月に100万円稼ぐ方法」など「せどり」を冠した本が多数販売され、ネット検索では「せどりって本当に儲かるの?」などの記事があふれかえっています。「せどり」の本を数冊買って読んでみました。今は「せどり」というと値くずれしにくい中古の実用書や中古でも高値で取引きされる人気のゲームソフトなどを、中古品を取り扱う大手チエーン店等から買入れてインターネットオークションで販売することのようです。

「せどり」をやるのに古物商許可は必要でしょうか?

前置きが長くなりましたが、「せどり」をやるのに古物商許可は必要でしょうか?
関係する法令や行政署のホームページの内容から解説します。
一度消費者の手に渡ったものを古物といいます。その古物を買入れて販売することを古物営業といい、古物営業法の規制を受けます。古物営業を行うためには、公安委員会から古物商許可を受ける必要があります。無許可営業の場合の罰則は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金で情状によりこれらを併科することができるとなっています。結構重い罰則ですよね。
その中古品の売買が古物営業に該当し古物商許可が必要かどうか以下の2つの観点から判断します。

  1. 売買するものが古物に該当するかどうか
    航空機や鉄道車両など一部除外されているものがありますが、一般消費者が使用するものはほとんど対象で、製品メーカーなどから一度一般消費者に渡ったものは、持ち主が実際に使用していようといまいと古物営業法上の古物に該当します。中古の書籍やゲームソフトも古物営業法上の古物に該当します。
  2. 有償で買い受けて営利目的で反復継続して取引きしているか
    無償または引き取り料をもらって引きとった古物を販売しても古物営業にはあたりません。無償で引きとった古物をリサイクルして販売しているリサイクルショップの営業が古物営業あたらないのがこの例です。また、営利目的で反復継続して取引きしていなければ古物営業にはあたりません。バザーやフリーマーケットで自分が使用する目的で単発的に何回か古物の売買を行っても古物営業にあたらないのがこの例です。

上記の1と2の両方に該当する行為が古物営業にあたり古物商許可が必要です。

中古の実用書を中古品を取り扱う大手チエーン店等から買入れてインターネットオークションで販売することを「せどり」だとして、あらためて「せどり」が古物営業にあたるかどうか見てみましょう。
まず、書籍は古物に該当します。また、中古品を取り扱う大手チエーン店等から買入れていますので、その書籍は一度消費者の手に渡ったものであるいえそうです。上記1に観点から古物に該当するといえそうです。
次に有償で買い受けて営利目的で反復継続して取引きしているかですが、中古品を取り扱う大手チエーン店等からの買入れは通常有償ですし、「せどり」は転売益を得る目的でインターネットオークションで反復継続して行われるのが通常だと思いますので、上記2の観点からも古物営業に該当するといえそうです。

以上のことから「せどり」は古物営業にあたり古物商許可が必要といえそうです。

それでも「せどり」には古物商許可は不要といわれている方が多いのも事実で、その根拠は中古品の買入れ先が個人ではなく中古品を扱う企業であることのようです。確かに中古品を扱う企業からの買入れであれば盗難品が混入する可能性は低いといえますのである程度の説得力はあります。法令の記述には買入れ先が個人かどうかの別はありませんので、法令以外にこの観点も含めて「せどり」が古物営業に該当するかどうかを具体的に差し示したものがないか、この古物営業を所管する警察のホームページやガイドラインを調べてみましたが、残念ならが見あたりませんでした。
したがって、中古品の買入れ先が個人ではなく中古品を扱う企業であるからといって「せどり」が古物営業に該当しないとはいえない。これが結論です。

「せどり」は中古品の買入れの目利きのスキルが求められと聞いており、このスキルをもっている方は、今後ますます発展するとみられるインターネット技術を背景に、「せどり」という有望なビジネスチャンスを迎えているのではないかと思います。今、古物商許可が必要かどうかあいまいな解釈の中で一抹の不安を抱えて「せどり」をやられている方もいらっしゃるのではないかと思います。
どうせやるなら古物商許可を受けて、古物を取り扱うプロとして警察の窃盗犯罪防止行政に協力しながら、正々堂々とご自分の「せどり」ビジネスを大きくされていかれるのがいいのではないかと思います。

 

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